No.465社長が案件を担当すれば顧客は満足する。そして、社員に継ぐと不満が起きる

№465:社長が案件を担当すれば顧客は満足する。そして、社員に継ぐと不満が起きる。

良く晴れた日の午後、これから販促支援業N社長が相談に来られます。
私は、N社のホームページを再度確認しました。
 
ノックがあり、N社長が入ってきます。
予想に反して、そこにはスマートで笑顔が爽やかな男性がいました。
 
事業内容と社長の経歴を確認し、今お考えの方針をお聴きします。
「この分野の市場は伸びています。3年で年商10億は行けるはずです。」
 
そして、手に持つ課題一覧表に目を落とし言いました。
「しかし、ダメなのです。社員は能力が低く私ばかりが働いている状態です。」
どうやら私の予測は当たったようです。


儲けるためには、また、年商10億円に進むためには、顧客満足を得る必要があります。
誰かが持つ何かしらの欲求を満たし(課題を解決する)、その誰かに「良かった、助かった」という言葉を言わせる必要があります。
 
この時に重要になるのが、『事前期待』です。
お客様が抱く事前の期待を、適正に形成する必要があります。
 
「この会社はこれぐらいやってくれるだろう」
「このサービスを買えば、我々は、こういう成果を得られるだろう」
この事前期待が満たされたときに、お客様は「良かった」、「助かった」と満足してくれるのです。
 
その事前期待が満たされない時に、顧客満足は下がることになります。
「思っていたよりもやり取りが遅かったなぁ」
「支払った金額に対して成果が見合っていないなぁ。以前のサービスでよかった」
 
この時に重要になるのは、「あくまでも顧客満足は、事前期待と実際に受けたサービスの関係で決まる」ということです。良いサービス悪いサービスというものは有りません、あくまでも、その基準で決まるものなのです。
 
家族で海外旅行に行く。折角だからと高級リゾートホテルに泊まる。きっとすごく素敵で快適な時間を過ごせるだろう。
地方出張で、この日の夜は飲み会がある。どうせ寝るだけだから1泊5千円のビジネスホテルで十分だ。
どちらも良いホテルなのです。この事前に抱いた期待さえ満たされていれば。
 
事前の期待よりも低いことは、あってはいけません。それでは、リピートはありません。紹介に繋がらないどころか、レビューで酷評されることにも成りかねません。
 
また、良すぎるサービス、すなわち事前期待をはるかに超えるサービスも良くありません。
それは、「適正価格をもらえていない状態」であると言えます。目の前のお客様は感激してくれています、しかし、その対価をもらえていないのです。
 
事前期待を下回ってはいけない。
事前期待を上回ってもいけない。
提供されるサービスは、「事前期待とイコール」が理想なのです。
または、「少し上ぐらい」が丁度よいのです。
 
『感動サービスはいらない』、
これも私の「語録」の一つです。


販促支援業N社のホームページには、「企画」、「提案」、「対応」と「コンサルティング」の文字が並んでいました。そして、「成果」を謳っています。
そこからN社が非常に高い「クリエイティヴ」を提供していることが予測されます。
 
入ってきたN社長は、爽やかで溌溂とした30代のイケメンでした。
この時、私は「予測が外れた」と思いました。
 
しかし、課題をお聴きすると、私の予測が当たっていることが解りました。
N社長は、非常に多忙な日々のため実は疲れ切っていたのです。
 
通常、クリエイティヴを売りにすると、「社長と一部の優秀な社員は超多忙となり、売上げの多くを上げている状態」に陥ります。それを何年も続けるとその社長は、疲れ切ってしまうことになります。肩こりや腰痛が常態化し、肥満になり、行きつくところは無気力になります。
 
N社長は言いました。
「この市場は伸びており、3年で年商10億は行けるはずです。しかし、今の社員には案件を任せられないのです。」
 
私はいつもの通りその課題の本質をお伝えさせていただきます。
「クリエイティヴがあってはいけません。サービス提供にクリエイティヴが必要であれば、社員ではこなせなくなります。それではスピードある事業展開は無理になります。」
 
そして、続けます。
「顧客の中に適正な事前期待をつくる必要があります。」
 
このN社のホームページを見れば、お客様はすごい成果を期待します。また、しっかりした対応をしてくれると思ってくれます。
そして、N社長は、それを実際に提供してきました。徹底的にヒアリングし、そこで基本的な考え方を説明し、企画としてまとめます。そして、契約までこぎつけるのです。そして、大きな成果を出すのです。こんなことが並みの社員にできるはずがありません。
 
そして、その顧客から紹介を受けることになります。この時のN社は、顧客の多くを紹介で得ていました。それだけ素晴らしいサービスを提供しているのです。
 
その紹介された見込客は「N社への大きな事前期待」を抱いて来ることになります。
いえ、正確には「N社長への大きな事前期待」です。
 
それらの顧客に対し、社員を付けようと試みたことは何度もあります。
しかし、そのたびに、お客様に呼び出されることになりました。
「N社長がやってくれるのではないのか」
彼らからすると、最高の能力と情熱を持ったN社長が相手をしてくれるもの、と思っているのです。(そんな人を超安くつかえるのです。)それが、それほどの能力も情熱も感じられない社員が来るのです。
その状態に、不満を持つのは当たり前です。
 
事前期待が最高のクリエイティヴになっているのです。
事前期待がN社長になっているのです。
その事前期待で見込客を集めてしまっているのです。
 
N社の根本的な問題は、適正な事前期待が形成できていないことにあるのです。
 
決してN社の社員のレベルが低いわけはありません。
また、今の社員のレベルが上がりそれを出来るようになったとしても、それではスピードある事業展開は無理となります。
そして、彼らは辞めるのです。または、役職を上がってもらう必要があるのです。
 
N社長がやるべきことは明白です。
・一つ、これだ!という自社の商品をつくる。その一方で、相手合わせのサービスを辞める。
・その一つの商品で見込客を集める。その見込客の中に販促ツールなどで適正な事前期待をつくる。
・その一品を量産するための仕組みを作る。そして、社員がそれをこなせるように訓練する。
・そのサービスをその事前期待通りに提供し、顧客を満足させる。
 
そして
・更に、そのサービスとそれを提供できる社員を量産し、顧客を量産する。
・その結果、年商10億企業となる。
 
以上。
 
N社長、このまま進んでも先はありません。益々苦しくなるばかりです。
そして、その停滞期は長くなります。
 
この変革の道は間違いなく大変なものとなります。
しかし、やれば必ず成果が出るのです。年商10億円になります。
それ以上に社員が活躍できるようになります。より沢山の顧客に貢献できるのです。
2年間でそれが実現できます。
 
(これが、当社の提供するサービスの適正な事前期待となります。)

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