No.34:3年後、5年後、何を自社の強みにしていくか。過疎化地域の酒屋は生き残った

今持っている「強み」は、
今現在ターゲットにしている顧客向けの強みです。

ターゲットとする顧客を変えれば、
当然自社の「強み」は、変わることになります。

変えることで、過疎化地域の廃業寸前の酒屋は、現在も生き残っています。


よく経営計画書作成で事業の方針を検討する際には、自社を取り巻く環境分析と自社の資源分析を行います。

この環境分析を行うと、「人口が減る」や「法律が変わる」「新技術」などの要素が上げられますが、もっとも自社に大きな影響を与える環境の変化は、「顧客」(顧客の変化)となります。

顧客を取り巻く環境が大きく変化するために、当然顧客もそれに合わせ変化する必要があります。当社の顧客のニーズ(必要とするもの)も刻々と変化しています。

また、市場にはライバルがいます。
顧客のもとには、絶えず何かしらの新しい提案(売り込み)がされることになります。

だから環境分析では、顧客を真剣に観ること、顧客のニーズを考えることをします。

また、社長は外に出て、顧客や世の中の変化をつかむことが必要になります。

過去のメルマガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
No.19 『社長は自ら顧客を定期訪問し、質の高い情報を得ること』

http://www.yssc.jp/column/column019.html


資源分析のなかの、「自社の強み・弱み」については、
これも、あくまでも今の事業(顧客)に対する強みと弱みであるという認識が必要です。

いまあるものはあくまでも「資源」であって、
ターゲット顧客を替えた時や、ライバルとの比較で、
強みや弱みは変わることになります。

当社の顧客先に、過疎化の進む田舎で酒屋を営む会社がありました。

両親と息子夫婦(息子が代表)できりもりする小さな店です。
扱っている商品も酒類一式と食料品が少し。

今までは、ターゲット顧客は「地域」でした。
息子さんは、環境分析では「人口の減少」「若者の流出」とネガティブ要素をこれでもかというほど挙げ、自社の強みはなく、弱みばかりを強調していました。

検討の結果、事業方針を大きく変えることにしました。
息子さんは決断をされました。

ターゲット顧客を「全国の酒好き」にしました。

ネットショップを開設し、地域の酒と全国の日本酒(特に希少性のある)を取り扱いを始めました。それぞれにしっかり説明(その歴史、そのこだわり)を自分の言葉で書き始めました。

また、選べる酒の組み合わせや陶器とのセットなど、ギフトを強化しました。

そうなるとどうでしょうか、弱みであった「地域」が強みに変わりました。

・田舎で周囲には酒蔵がある
・こだわりの陶器も安く手に入る
・倉庫や作業場はいくらでも確保できる(タダ同然で借りれた)
・手間のかかる梱包や配送は地域のパート希望の女性で行う
(人件費がおさえられる。繁忙期と閑散期の調整が楽。募集は張り紙や口こみ。)

ネットでの酒類は、価格競争が激しいだけに、経費を抑えられるこの地域という資源は、強みになりました。

(※簡略して書いています。当然、ネットでも激戦があり簡単ではありませんでした。)

最近では別の事業も立ち上げ、ゆっくりですが成長しています。
それは、地域の家庭への配送です。
高齢者がターゲットです。
酒だけでなく食料品一式を扱っています。
この事業も、地域の資源を活かせています(田舎すぎて大手の参入もない)。

『3年後、5年後、何を自社の強みにしていくのか』

これを社長は決めなければいけません。
社長が考えるべきことでもっとも重要なことになります。
社長しか決めることができません。

いまの強みは、この先も通用することはありません。
 
この先の「顧客のニーズ」の変化や「ライバル」との戦いを予測し、
を決断するのです。

強化する強みを決めるのです。

この社長の全身全霊をかけた読みが当たれば、売上はあがり、自社は存続することができます。

これが外れれば、自社は滅亡します。

酒屋の息子さんのあの時の決断がなければ、
とっくに過疎化地域の酒屋は存続していません。

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