No.109:昨年対比10%の伸び、この考え方が年商数億で止まる最大の原因

「矢田先生、期当初昨年対比10%で計画していましたが、それでは抑えがききません。どうしましょうか?」
専門加工機メーカーの社長、笑みがこぼれています。本契約後のフォロー契約に移行し、3ケ月ぶりの訪問です。抑えがきかないとは、もっと売上げをあげていいか?という趣旨のようです。
矢田 「どうぞ遠慮無く(笑)。このためにこの2年、社長は頑張ってこられたのですから」


2年前、コンサルティングがスタートした時、ちょうど社長は、フェアへの出展の準備をされていました。
そこで、矢田は質問をさせて頂きました。
矢田 「このフェアに出る目的は何ですか?」
社長 「売上げを上げるためです。今回のフェアで、新規の取引先が1社でも見つかるといいと考えています。また、社員の教育の場にもなると思っています。彼らは、技術屋なので、顧客や外部の人に自社のことを話す良い機会になると」
矢田 「社長は、行かれますか?」
社長 「朝少し会場に居て、あとは彼らに任せようと。そうでないと彼らは私を頼ってしまい、育ちません。矢田先生も、もしお時間あればぜひお越しください」


高い金を払いフェアに参加する目的は、大きくは二つあります。フェアの会場は、この2つの目的を持った企業が、混在している状態です。
 
その目的の一つは、『ビジネス機会の発見』です。
この目的で参加する企業は、自社で開発したその商品(製品)が、どんな先にハマる(売れる)のか、を探るために参加しています。
・どんな業界にうけるのか?
・どんな課題(ニーズ)に合うのか?
・他の業界にも売れるのか?
・価格や契約体系など、顧客はどこを気にするのか?
など、このようなことを目的に、すなわち「探る」ために参加します。
不特定多数のいろいろな業界や部門、役職の人と、直接会えるフェアは「探る」場としては、打って付けです。こんな偶然を得るような場は、フェア以外には有りません。
 
二つ目の目的は、『新規の顧客を開拓する』です。
すでに、自社のビジネスが確立している企業が持つ目的です。『ビジネス機会の発見』の段階は終え、それを沢山売る段階です。
どんな顧客が自社の商品(製品)を買ってくれるか明確であり、そのための提案書などの資料もあります。
フェアは、いくつかあるひとつの見込み客開拓のルートとなります。
 
この二つが、フェアに参加する目的になります。
ここでしっかり認識する必要があります、自社のビジネス(商品)は、今どちらの段階であり、どちらの目的を持ってフェアに参加するべきか。


この加工機メーカーの社長、さすがです、この説明をさせて頂くとすぐにご理解いただきました。
そして、社長 「当社は、まだビジネスが確立出来ていません。フェアに参加する目的は『ビジネス機会の発見』になります!」
そして、また、さすがの言葉「そうであれば、会場には、私がいなければいけません!」
 
『ビジネス機会の発見』は、社長の一番の仕事になります。
社長は、その全身全霊をかけて、それを探します。その機会がフェアなのです、そのためのフェアです。これは社員には代わりはできません、社員と社長の視点はまったく異なります。
 
取引先から、「御社は、このようなことが出来ますか?」と訊かれた時、社長は当然、「・・・そんなニーズもあるのだ・・・」と、ビジネスのチャンスとして捉えます、
それに対し、社員は、「申し訳ありません、当社では取り扱っていません」となります。
これが違いです。社員が悪いのではありません、そもそもの役目が違うのです。
 
そのため、フェアに参加する目的が『ビジネス機会の発見』であれば、社長がその場にいる必要があります。社長自ら、フェアの自社ブースに訪れた人の声に耳を傾けることになります。また、しつこく訊くこともします。
その時のフェアへの参加動機は、「売ろう!」ではなく、「探ろう!」となっています。
 
この目的を正しく認識していないと、「1件受注できた」 や 「名刺が100枚手に入った」と喜ぶことになります。または、「社員の教育のため」とズレた話まで出てきます。
1件の受注がほしいのではなく、100件も1000件も売るために、『探る』のです。
この段階では『売る』という目的は、微塵もないのです。小さな声に惑わされないためにも、微塵も持たないほうがいいのです。そして、見つけた時に、「売る」ために大きく行動を起こします。
 
「探る」か「売る」か。この考え方は、フェアに限らず、販売に関わるものすべてに当てはまります。
・ダイレクトメール(DM)を打つのも、「探る」ためか、「売る」ためか。
・フリーペーパーに広告を載せるのも、「探る」ためか、「売る」ためか。
・客先に提案書を持って訪問するのも、「探る」ためか、「売る」ためか。
「探る」のであれば、社長の役目、「売る」のであれば、社員の役目。


ここに年商数億で止まる社長と年商10億を越える社長の考え方の違いがあります。
年商数億で止まる社長は、昨年対比10%の伸びを喜びます。そして、売上計画の伸びを、今期10%、来期10%、再来期10%と考えます。
年商10億の社長は、今期0%、来期30%、再来期200%と考えます。
仕組みで儲ける事業モデルが出来、大きく展開をし始めると、毎年10%の伸びで抑えることは、無理なのです。専門加工機メーカーの社長のように、どうしても、大きな伸びにならざるを得ないのです。


「売上げ10倍で考えろ!」とブレイクスルー(現在の思考の枠を取り払い考える)のために、大きく考えることの重要性を聞くことがあります。しかし、これとは全く異なります。
年商10億の経営に必要な考え方は、発想力やアイディアではありません、「ビジネス機会を発見」し、その出来たものを、10個、100個と量産する、というルーチンです。
そこには、やることをやれば結果が出るという「科学性」があります。
年商10億に天才は必要ありません、それよりも、現実主義者であることが重要です。

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