No.225「仕組みの発想が無い社長」と「〇〇」が組み合わされた所に、本当の不幸が生まれます。

№225:「仕組みの発想が無い社長」と「〇〇」が組み合わされた所に、本当の不幸が生まれます。

「矢田先生、これを見てください。」
 
そこにあるのは、発注書です。
1か月前に訪問した際に、設備業M社長は、「大手菓子メーカーから問い合わせが来ました。」と喜んでいました。(コラムNO221)
 
「これだけの金額のものが、こんなにスイスイと決まったのは初めてです。」
そして、M社長は続けられます。
 
「これで、浮かれてはいけないことも解っています・・・。」
 
その後のM社長の言葉に私は驚かされることになります。


どんなモノに対しても、「開発と展開」の考え方を持つ必要があります。
 
開発:アイディアを実行し、修正を繰り返し、上手くいくまでを確認する段階。
展開:そのうまくいったものを、大きく広げる段階。
 
経営におけるすべてが、この開発と展開によって構築されていきます。
 
・集客の手段として折込チラシを試してみます。キャッチコピーは刺さるのか、どのような層が反応するのか。ある率まで高めることができれば、他の地域にも展開できます。
 
・一人目の営業担当を採用します。その営業担当を活かすために、仕組みを整備してきました。一人目を「載せて」みます。その一人目で、更なる改良をします。そして、確信が持てたら、営業担当の量産に移ります。
 
・評価面談制度を作りました。最初は、自分で実行してみます。一緒にマニュアルも作成します。今度は、ひとりの管理者に実行してもらいます。その様子を見て、マニュアルを修正します。その後、全管理者に展開します。
 
その対象に対し、「いまは開発をしているのだ」という明確な意識が必要です。
そこには、その後大きく展開しようという目的があります。
チラシで、10倍、20倍の新規の見込客を集めたいのです。
営業担当を量産し、もっとアプローチ先を増やしたいのです。
この先に管理者になる社員も、同様に効果的な面談を実施できるように、その仕組みをつくるのです。
 
開発の段階は、トライ&エラーの繰り返しです。手間とコストがかかります。だから苦しいのです。展開の段階に移れると、断然楽しくなります。狙った通りの成果を得ることができます。
 
この先も高い効果を、繰り返し得るための開発です。
狙うのは、数、スピード、質、すべてです。
そして、それを土台として、そこに改善を積み上げていきます。
 
この開発と展開の考えを持たない社長は、その結果に一喜一憂します。
チラシをまいた。うまくいった!ダメだった!
営業担当を採用したが、ダメだった。能力が無かった。次の募集をかけよう。
面談をいつまでも自分(社長)がやっています。そして、「面談を任せられる管理者がいない」と嘆いています。
 
そして、そこには、マニュアルや仕組みがないので、誰かに引き継ぐこともできません。いつまでも、チラシを社長自身が考えています。営業は、社長か一部の優秀な社員しか出来ません。面談も社長が言い出さないと立ち消える状態です。
改善を積み上げることも、社員や管理者を巻き込むこともできないのです。
 
我々が、欲しいのはあくまでも『仕組み』です。
うまくいく、成果を得られる、量産できる、という『再現性』を得るための仕組みが欲しいのです。
 
再現性がある仕組みは、この先何度でも同じ結果を生んでくれます。
同じようにやれば、同じような結果が得られます。
その仕組みの持つ再現性の対象に、「良い」も「悪い」もありません。
良い仕組みには、良い結果が約束されます。
悪い仕組みには、悪い結果が約束されています。
 
悪い仕組みもまた、確実に悪い結果をもたらしてくれます。
出来の悪いチラシは、何万枚配っても見込客を集めることはできません。
次の営業担当を採用しても、やはり成果は出せません。また、「確実」に辞めていきます。
面談を管理者にやらせても、お粗末です。緊張感もなければ、相手に厳しいことも伝えません。
確実に、悪い結果をもたらしてくれます。
 
「仕組みが無い」という会社にも、実は仕組みがあるのです。
悪い結果を出す、それも、それを繰り返すという、再現性のある仕組みがそこにはあるのです。


設備メーカーM社は、年商3億です。
今回の受注は、2千万円。小さくはありません。
そして、大手菓子メーカーは、販売状況を見て、増産する計画を持っています。
 
今回、狙った通りの集客方法で、狙った通りの相手に売れたのです。
嬉しく無いはずはありません。過去に一度もこんなことは経験したことはないのです。
 
「ここで、浮かれてはダメなのです。」
M社長は、自分を戒めるように言います。そして、次の言葉です。
 
「来週訪問し、なぜ当社を選んで頂けたのかを確認してきます。」
 
その大手菓子メーカーは、多くの設備を持っています。そして、当然、多くの設備関連の企業と取引をしているはずです。きっと、その先にも相談をしていることでしょう。数社からは、提案を受けているはずです。
その結果からの、「当社」なのです。
 
その理由を、M社長は、「まだ」確認できていません。
その理由を確認したいのです。そして、今後も同じ理由で選ばれたいのです。
 
私は、M社長のその言葉に驚きました。
これこそが、年商10億社長が持つべき考え方です。そして、これほど短期間に考え方を変えられたM社長に、尊敬の念を持ちます。
 
M社長は言われます。
「昔の私なら、ここで浮かれて終わっていたでしょう。このタマタマうまくいったことを真に受けてしまっていたことでしょう。」
 
年商数億の社長は、このタマタマを、ヨシヨシで終わらせてしまいます。
タマタマそのチラシで集客できました。
優秀な社員が採用でき、営業担当として良い成績を出しています。
一人の管理者は、面談の機会を上手に使い、部下を指導できています。彼は、前の会社で面談の研修を受け、経験もしていました。
 
このタマタマが怖いのです。このタマタマ上手くいったことを真に受けてしまうのです。タマタマは、仕組みとは違います。偶発なのです。
その「タマタマ」と「仕組みの発想が無い社長」が組み合わされた所に、不幸が生まれます。
 
社長の頭のなかにも、再現性が必要です。
頭の中の回路、すなわち頭の中の仕組みを修正する必要があります。
頭の中の仕組みを、年商10億に相応しいものに再構築する必要があるのです。
 
全ての社長が、この再構築で苦しみます。すぐに戻ってしまいます。そんな自身に嫌気が差すこともあります。
 
悪い結果を、再現する思考パターンが、まだ残っています。
対策が「人」に向かってしまいます。すぐに自分でやってしまいます。口で伝えて満足しています。だから、大きく成らなかったのです。だから、この規模で止まっているのです。自分を変えなければなりません。
 
M社長は、それを7か月で行いました。コンサルティング資料を毎週見直すようにしました。矢田に数度罵られました。頑張りました。
 
その結果、経営者として「成果を出し続ける仕組み」を脳が獲得したのです。
経営者として、「年商10億ビジネス」のための再現性を得たのです。
 
もう戻ることはありません。
何かで業績が崩れたとしても、再度組み上げることができます。別のビジネスを立ち上げることもできます。解っているのです。
 
これから、本当の意味で、経営者として展開に移ることができます。
苦しい開発段階を抜けることができます。展開は、楽しいです。
 
いまこそ、次のステージへ進むための、考え方を開発するのです。

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