No.141:優秀な人材を採用する退職率を下げる、その解決はハローワーク!人材とコスト最適化の視点

コラム№141

「退職率が、高くありませんか?」
食品メーカーの社長への私からの質問です。
 
「そうなのです、優秀そうな人材を採用しても、1、2年で辞めるのです。何のために、毎年莫大なコストをかけて採用しているのか解らなくなります」
 
一通り確認をさせて頂いたうえで、提言をさせて頂きました。
 
「ハローワークに切り替えられたらどうですか?」
 
 
年商10億の条件が整うと、仕組みをつくる人材がほしくなる


年商10億の条件が整うと、業績が向上していくことになります。
既存の顧客への拡販、新規の案件、そして、内部でこなす業務も急激に増えてきます。
そして、それに合わせ、仕組みの改善を進める必要性がさらに高くなってきます。
 
いままでも、その仕組みの未整備に関する問題は在ったのですが、社長の持つ視点が大きく変わるために、その問題の大きさを強く感じるようになります。
売上は増えていくが、仕組みづくりは進まない、その状況に社長は、自分とともに『仕組みづくりを進めることができる人材』を求めることになります。
 
しかし、その段階では、まだ仕組みづくりができる人材は社内にいません。
若い社員の中に、その頭角が見える人材はいるものの、もう少し時間が掛かりそうです。
仕組みにより確実にその人材の育成が進むことは予測出来ますが、それだけの時間を待つこともできません。
 
すべての企業がこの道を通ることになります。
そして、このようなときには、外部から『人材の調達』を進めることになります。
この段階に進んだ社長の口からも、自然と『調達』という表現が出る様になっています。
どんな人材がほしいか、その人材に求める能力も依頼したい仕事も明確になっています。
必要なモノは、はっきりしているのです。
だから、採用ではありません、「調達」となります。
 
 
優秀な人材が何を求めているのか


そして、その調達に向けて、次に考えるべきことは、そんな『優秀な人材』が何を求めるかとなります。その「求める人材に合った内容」で募集をかけることが必要になります。
 
優秀な人材は、自分の人生に対し、やり甲斐を求めます。
自分の能力を思いきり発揮したい、新しい経験をしたい、もっと成長したい。
そして、その欲求を満たしてくれる環境、会社を求めます。
 
そのため、我々は、求人媒体や自社のホームページに、その人材に向けての「ラブレター」を載せることになります。
その発信により、優秀な人材を集める確率を格段に上げることができます。
 
採用では、募集広告によって、「どんな人材を集めるか」をコントロールすることが必要です。
優秀な人材がほしければ、「やり甲斐」をうたい、
淡々と作業をする人がほしければ、「安定」をうたい、
怠け者がほしければ、「福利厚生」をうたう。
 
それをすることで、採用コストも下げることができます。
また、その後の、ミスマッチや退職を避けることができます。
 
 
ミスマッチで、人材を効率的に活用できていない


多くの企業では、ミスマッチのために、人材の効率的な活用が出来ていません。
そして、その人材は、その能力を発揮できずに、退職をすることになっています。
 
冒頭の企業では、優秀な人材や元気のある人を集めることに成功していました。
これは、周辺の知人社長からは、羨ましがられる状態です。
しかし、退職者が多く出ていました。
その原因は、そんな人材を「単純作業の業務」に付けていたことです。
その人材は、この会社は自分を活かせる環境であると思って応募をし、採用されました。
そして、そこで待っていたのは「単純作業」です。クリエイティヴとは程遠く、頭を使うこともできません。
その結果、次の環境を探すことになりました。
 
この会社のそのポジションには、そんな人材は必要なかったのです。
そこに合った人材を配置する必要があります。
それは、コツコツ、決められたことをこなすことが出来る人材です。暗くてもいいのです。
 
どちらの人材も企業には必要です。その人の「人」としての価値が変わるわけではありません。
人の評価というものは、その環境、すなわち与えられた仕事との相性によって決まります。
 
 
適材適所で会社の生産性を高める


会社の生産性を高めるためには、適材適所が必要です。頭を使うことに喜びを感じる人材に、それに合った仕事を与え、決められたことをこなすことに喜びを感じる人材にも、それに合った仕事を与える。
それにより、会社としても高い生産性を得ることができます。
また、それぞれの社員もその仕事に活きる場を得ることが出来ます。
 
各業務を設計する、その業務に必要な人の要件を決める、
その「人」を調達するための募集をする、そして、その中から「合致する人」を採用する、
そして、すぐに業務ができるように訓練する。
それにより、会社は『最適な手間とコスト』を実現できるのです。
全員が優秀である必要は全くないのです。それどころか、それを求めれば多くの無駄を生むことになります。


食品メーカーでは、いままで工場での業務スタッフに「明るく」「考える人材」を求めていました。
正しい要件は、「真面目」で「コツコツ」となります。
だから、ハローワークなのです。
 
これにより、『優秀な人材』を採用することが出来る様になりました。
募集コストも大幅に削減でき、退職者も減らすことが出来ました。

矢田祐二
矢田 祐二

経営実務コンサルタント
株式会社ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役
 
理工系大学卒業後、大手ゼネコンに入社。施工管理として、工程や品質の管理、組織の運営などを専門とする。当時、組織の生産性、プロジェクト管理について研究を開始。 その後、2002年にコンサルタントとして独立し、20年間以上一貫して中小企業の経営や事業構築の支援に携わる。
 
数億事業を10億、20億事業に成長させた実績を多く持ち、 数億事業で成長が停滞した企業の経営者からは、進言の内容が明確である、行うことが論理的で無駄がないと高い評価を得ている。
 
 

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