No.264:考える社員を育てるのが下手な社長は、具体的な指示を出し過ぎです!その一方で、〇〇をしていません。

№264:考える社員を育てるのが下手な社長は、具体的な指示を出し過ぎです!その一方で、〇〇をしていません。

「矢田先生、この図がぼやけて見えませんが。」
不満な表情をされます。
 
コンサルティングでは、年商10億円ビジネス構築のためのノウハウを体系化したコンサルティングブックを使用して行います。それには、サンプルとなる多くの図や付属の資料が付きます。
 
そのサンプルの提供の「度合」については、非常に工夫を必要とします。そして、非常に悩ましいところでもあります。
 
なぜならば、サンプルがその経営者にとって弊害になることも多いからです。
これを「そのまま真似てください。」とは絶対に言えないのです。社長ですから。


「人を育てる」時には、『訓練』と『教育』のバランスを考える必要があります。
 
『訓練』とは、決められたことを教え、その通りに出来るようにすること。
『教育』とは、自分で、その目的から考え、工夫や改善が出来るようにすること。
 
新人が入るとまずは訓練を提供します。マニュアルを渡し、その通りにやってもらいます。それにより、短期間で通常業務を身に付けることができます。
数年が経過すると、教育の機会を提供します。ある業務の改善を依頼します。表をもっと使いやすいように変えてもらいます。マニュアルの改定をお願いします。
 
相手のレベルに応じて、提供の「度合」を変える必要があります。
新人には訓練が必要です。基本がないうちに教育することはできません。
基本的な業務を覚えたら、そのレベルに見合った教育の機会を提供します。それにより、目的からやり方を考えられるようになります。
そして、管理者候補であれば、教育のレベルを上げます。目標を与え、外部のセミナーや展示会に参加させます。自社へのノウハウの導入をお願いします。
 
度合を適切に調整することで、人を引き上げることができます。
 
 
これができないと、人は育たないことになります。
体系だった訓練制度がないために、採用した人の戦力化に時間が掛かります。目的の共有の取組みが弱いために、職場全体で「目的で考える」という風土ができません。また、目的から考える機会、すなわち、目標を与えていないために作業員レベル以上の社員が現れません。
ひどいと『新人に対し教育』をして、『管理者までに訓練』をしています。
 
その結果、次のような『考えない社員』を社内に抱えることになります。
・解らないことがあると、すぐに指示を求める。そこに、自分の考えを述べるという意識はない。
・開き直り「社長が決めてくれれば、やりますから」という態度。
・「昔からこのやり方でやってきた」と、状況に合わなくなった業務を坦々と続けている。
 
これらは、訓練と教育のバランスを欠いた状態と言えます。「目的(考え方)」が失われた状態です。
 
「具体的な手法」も「目的(考え方)」も重要です。しかし、効率を強く求めると、「具体的な手法」が強くなり過ぎます。「目的(考え方)」は目に見えず、短期的には必要性が低いために、その取組みはなおざりになりやすいのです。
 
其々の意図をしっかり理解し、バランスを取った形で仕組化することが必要です。それにより、会社として人を育てるサイクルを得ることができます。


コンサルティングでは、『クライアント社長に、どれだけのサンプルを渡すのか』。非常に工夫が必要となります。サンプルは「具体的な手法」の例となります。
それだけに、その影響は非常に大きいのです。
 
コンサルティングのサンプルとして、実際のある会社の事業設計書をそのままお渡ししています。それは、大きなメリットも、大きなデメリットも生むことになります。
 
メリット
・すぐに完成型のイメージを持てる。
・目的(考え方)とサンプル(手法)を照らし合わせることで、理解が深まる。
 
サンプルにより、効率を高めることができます。社長は、すぐに取り掛かることも、取り敢えず完成させることもできます。しかし、その一方で犠牲になるものもあります。
 
デメリット
・イメージに引っ張られ過ぎる。オリジナリティ(その社長の個性、その会社なりの工夫)が無くなる。
・真似て完成という、浅いレベルで熟考が止まる。
・その後の自社での改良に続かない。何年もその書式を変えない。
 
そのサンプルは、「他社で実際に使用しているもの」です。そのため「答えを得る」という意味では非常に効率は良いのです。しかし、長期的な成長が阻害されるという弊害が生まれることになります。
引っ張られ過ぎてしまうのです。「囚われる」と表現したほうが適切かもしれません。(特にその社長が苦手とする分野ほど、その傾向が大きく出ます。)
 
その結果、サンプルにそっくりなものが完成します。
悪い表現をすれば、「丸パクリ」です。そして、考えも浅くなっています。手法に引っ張られ、その本来の目的(考え方)がどこかへ行ってしまっているのです。
 
そして、そこに記された言葉までが、影響を受けてしまっています。その事業設計書は、他社の社長が渾身の想いで書いたものです。それだけ強いものなのです。その結果、そこには、その社長が普段使わない言葉が並ぶことになります。
 
他社のものを使って、経営ができるはずがありません。考え方もビジネスモデルも何もかもが違うのです。当然、それで社員を動かすことはできません。
 
その後のその社長自身が「事業設計書を成長させること」にも弊害がでます。フォーマットの改良に手を付けるまでに、数年かけることになります。「先生から頂いたものを守る」という間違った認識が残るのです。
 
会社は、成長を繰り返すべきものです。そのためには、自身でその書式を変化成長させる必要が絶対にあるのです。それができるのも、事業設計書の原則というべき目的(考え方)を理解しているからです。
 
 
サンプルは、効率が良いのです。しかし、効果(望ましい結果)という意味ではマイナス面もあるのです。コンサルティングの目的は、あくまでも「自社で成長のサイクルを回す」ことにあります。
 
そのために提供する側に工夫が必要になります。そして、悩ましいところでもあります。
短期的な結果を求めるのであれば、「事業設計書のサンプルを渡し、真似してください」でいいのです。
しかし、長期的な成果を求めるのであれば、「事業設計書の考え方をしっかり理解して、そこから創り出してください」となります。
 
コンサルティングという強制力がある機会の中でこそ、踏ん張りがききます。そこでできたからこそ、この先も、自社の成長に合わせ、それを作り変えることができるのです。何年も同じ事業設計書のフォーマットを使い続けるような社長にはなってはいけません。


「具体的な手法を与える」、「目的(考え方)を共有する」、その具合の調整が難しいのです。しかし、それ無しに、人に自分のノウハウを提供することはできないのです。人を育てることはできないのです。
 
私がクライアントの成果に責任があるように、社長は自社の社員に対し責任をもっています。社内に、「それをいい具合に調整し人を育てる仕組み」を構築することが必要です。
 
「先生、もっと具体的に教えてください」、「サンプルをもっとください」と求める社長ほど、社員を育てるのが下手という傾向があります。社員に対し「あれやれ」「これやれ」と、「具体的な手順」を与えすぎています。また、目的の説明を殆どしません。
 
すぐに答えを求める社員、
与えたフォーマットをそのまま使い続ける社員、
そんな社員を育ててはいけません。
 
そのためにも、社長自身が体得するべきことなのです。
『目的(考え方)から手法を作り変える。』
それを社長ができているからこそ、社員をそのように導くことができるのです。
 
大変ですが、がんばりましょう。

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