No.309:成功する社長がやっていること。成功し損なう社長が、ついつい陥ってしまうこと。

№309:成功する社長がやっていること。成功し損なう社長が、ついつい陥ってしまうこと。

当社に相談に来られたN社長は、東京の静かな様子に驚かれています。
「矢田先生、これは大変な状況ですね。いまのうちに自社を作り変えたいです。」
 
事前にいただいた資料を拝見します。5年間、売上げは伸びていません。
私は、N社の事業内容、そして、今後の方針と課題を確認させていただきます。
 
そこまで話をしてN社長は、表情を正しました。
「私は、いままで全く見当違いのことを頑張ってきました。やっと目覚めることができました。ありがとうございます。」
 
N社長も、世の中の嘘の犠牲者のようです。


本当に重要なことを選ぶ。
そして、その他多くを捨てる。
そして、粛々とその実現のために行動する。
 
これが、成功の条件となります。人生で、大きく成功するためには、この繰り返しの日々を送ることが重要になります。
 
私達の日常には、「ほとんど成果に影響しない多くのこと」があります。
そして、「圧倒的に成果に影響を与える少ないこと」があります。
 
その「圧倒的に成果に影響を与える少ないこと」を選べるかが、分かれ目になります。それをできた人だけが、成功することができます。逆に多くの人は、それを選ぶことができないのです。
 
大半の人は、何を選ぶかを真剣に考えようとしません。または、考えたとしても、それを実際の行動に移さないのです。その結果、多くの人が、並みの成功(並みの失敗)で終わることになります。
 
実際に行動に移したとしても、それは唯の始まりにすぎません。これからが本番であり、棘の道となります。すべてが未経験なことばかりです。一つひとつ考え決定すること、そして、身につけて行く必要があります。ふとした瞬間に襲ってくる恐怖をコントロールします。周りの反対や誘惑もあります。
 
その結果、多くの人が止めてしまいます。止めて「ほとんど成果に影響しない多くのこと」をこなす毎日に戻っていくのです。
 
 
自分が過去に成功した時のことを思い出すと、次の状態だったはずです。
大成功をした時は、集中力を唯1つのものに向けていました。スポーツ、受験、何かのプロジェクト、事業を起こした時。頭の中は、それで一杯でした。そして、生活のすべてをその実現に向けていました。
 
成功できなかった時には、この逆の状態にありました。集中力の焦点が定まっていません。絞れていないために、ばらついた思考と無難な日々を送っていたのです。
 
自分に絶えず問う必要があります。一年に数度、立ち止まりしっかり考える時間が必要になります。
「自分の目指しているものが、具体的に描けているだろうか。」
「それは、事業を飛躍させるような、本当に重要な目標だろうか。」
「その実現のために、毎日を過ごせているだろうか。」
 
イエスであれば、自分は成功へ向けた途中にあると言えます。
ノーであれば、自分は不成功(明確な失敗ではない)へ向かっている状態にあると言えます。
 
自分が、その状態にあるかどうかが、本当に重要なことなのです。
その状態に自分が無いことこそが、我々が恐れることとなります。


成功に向かうためには、『出発点』が重要になります。
「大きく考えること。」
 
これが、スタートとなります。大きく考えるからこそ、大きなアイディアが浮かんでくるのです。大きいものを望むからこそ、思い切った決定ができるのです。
 
我々が恐れるのは、次のような状態に陥ることです。
 
小さな視点でしか考えていない。
自分に問うことをしていません。そのため、自分の「経年」に危機感を持たなくなります。その結果、大きな視点で考える時間を改めて取ろうとはしません。いまの延長で生きることになっています。
 
無駄なことばかりをしている。
昨日の延長の今日があります。昨年とそれほど変わらない今年があります。スケジュールが埋っていることに安心感を得ています。そこには、絶対成功してやろうという意思がありません。的の絞れた集中力もないのです。
 
間違った人に相談している。
家族や従業員に意見を求めています。または、同じレベルの経営者に相談しています。今の自分の周囲の人は、『いままでの自分』が、引き寄せた人です。だから、同じレベルなのです。彼らは、何とか「貴方がそのままでいる」ために、「できない理由」を教えてくれます。
 
多くの頼まれごとに耳を貸している。そして、受けている。
飛躍する時には、経営者団体など、多くのものから距離をとる必要があります。
頼まれれば、迷ったり、ノーを伝えたりしなければなりません。その行為が集中力を削いでいきます。間違ってそれを引き受ければ、数年間は、「大きなお荷物」を抱えることになります。
 
大きく考える、
大きく考えてみる。
 
それだけです。
今が、年商3億であれば、年商10億を考えてみる。
年商10億であれば、年商30億を考えてみる。
 
まずは、その時間をつくるのです。


なぜ世の多くの企業が、年商数億円の規模で停滞しているのか。その理由を一言にすると、次のものになります。
『本当に重要な、成果の出ることに取り組んでいないから』
 
頑張りどころを間違えているのです。そのため、成果が出ません。成果も積み上がっていきません。
 
年商10億円に進むために、本当に重要なことは多くはありません。その効果の大きさに比べ、獲得しなければならないものは非常に少ないと言えます。
実際、当社のコンサルティングの期間は約1年です。その1年で、会社に必要な仕組みの全てを作ることができます。そして、その後の1年で大きく飛躍が可能になります。
 
 
では、なぜ本当に重要な、成果の出ることに取り組めないのか。
その理由は大きく二つあります。
 
一つは、それが「普通に生きていては、獲得できないことであるから」。
年商数億円の社長は、いま現在も年商数億円の世界で生きていると言えます。自分が多くの時間を過ごす会社は、年商数億円の要素で構成されています。飲み仲間の経営者も、年商数億円です。付き合う専門家も、メインは年商数億円のクライアントです。
 
世の中には、年商数億円規模の会社が多いのです。法人の99%は、その規模なのです。世の中の大半をしめています。当然、周囲には、年商数億円規模の情報で溢れています。年商数億円規模の企業向けのコンサルタントもサービスも多くなります。
 
もう一つが、「世の中には、間違ったことが、まことしやかに広がっている」となります。嘘とまでは言いませんが、絶対成果のでない理論が蔓延しています。社員教育、理念経営、ある形の経営計画書・・・など。それらは、中堅企業以上では見られないものばかりです。
 
世の中には、間違った理論を一生懸命に広げる人たちがいます。彼らは、そこから自分の糧を得ています。そして、それは問題解決をもたらしません。それにより、その1社との取引を継続することができます。
 
冒頭のN社長もその一人でした。
一生懸命、経営者団体で役を受けてきました。「理念経営」や「社員教育」にも取り組んできました。高名なコンサルタントに依頼し、経営計画書も作成しました。いろいろな勉強会や高額なセミナーにも参加しました。勉強熱心なN社長です。
 
それでも、この5年間、停滞していました。売上げは、年商4億円前後で推移しています。その状態に、コロナ禍が襲いました。売上げが3割ほど落ちました。
 
その状況になり、時間ができたN社長は、いままでの自分を振り返ることにしました。そこで、ある考えが頭をよぎったのです。
「根本的に、自分が勉強していることが、間違っているのではないか。」
 
その考えは、いままでの自分の経営者人生を否定するようなことです。しかし、N社長は、その問いに真摯に向かいました。
そして、敢えて『自分が普段読まない類の本』を読むことにしたのです。
 
その中の一冊に、矢田の本がありました。「年商10億円」というドクドクしい題名の本を、いままでなら手に取ることはありませんでした。本を読めば、「社員教育はダメ。経営計画書の間違い。粗利率ではなく粗利高が重要。」と書いてあります。まさに、自分の経営者人生を否定される思いです。
 
しかし、腑に落ちる点が沢山ありました。なぜ自社が大きくなれないのか、なぜ社員が辞めていくのかも解りました。そして、意を決して面談を申し込んだのです。それが、冒頭です。
 
N社長は言いました。
「いままでの長い時間、何かに取りつかれていたように思います。今は、すっきりしています。社員には申し訳ないことをしたとも思います。これから、取り返すつもりでがんばります。」
N社の変革の始まりです。
 
 
まとめです。
 
本当に重要で効果の出ることを見極めることが重要になります。
 
そのためには、「大きな視点」で考えてみることです。
大きな視点を得るために、一人の時間をつくることです。また、大きな視点を提供してくれる人にアドバイスを求めることです。
 
「大きな視点で考える」、「正しいものを選ぶ」。
それが、すべてのスタートです。
それが、会社を大きく飛躍させる第一歩であり、会社を大きくさせる最速なのです。
 
いまの会社は、「いままでの自分の選択」が作った会社です。
この先の会社は、「これからの自分の選択」がつくることになります。
 
会社は、社長次第です。
社長の変革なしに、会社が変わることはありません。

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