No.390:成功者と失敗者を分けるものとは!?具体的なあれ。

№390:成功者と失敗者を分けるものとは!?具体的なあれ。

この日は、午前1件、午後1件の新規のご相談がありました。
 
1件目の相談は、製造業A社です。
その内容は、「売上が落ちている」というものでした。5年前に年商6億円近くあったものが、今では、3億円を切るまでになっています。
 
私は、「緊急対策が必要です。まずは、既存顧客の訪問リストを作ってください。」とお願いをしました。
 
そして、午後の相談は、システム開発業B社です。その内容は、「忙し過ぎる」というものです。私は、「やらない案件の条件を決めましょう。」と提案し、その条件の作成をお願いしました。
 
この「宿題」をやるか、やらないか、それが運命の分かれ目です。
やらなければ、確実に「失敗者」への道を突き進むことになります。


『具体的な行動を決めること』
これが、組織では絶対に必要になります。
 
具体的な方針
具体的な目標
具体的な行動指示
 
具体的、、、、こう聞くと当たり前のように感じます。多くの経営本やマネジメントの研修でも必ず言われていることです。しかし、多くの企業では、これが出来ていません。
 
・悪い方針:「お客様から選ばれるサービスをやろう」、「今期、新規事業を立ち上げる」
・悪い目標:「売上を昨年対比10%アップする」、「営業力を強化する」、「管理者を育成する」
・悪い行動指示:「積極的に営業しろ。」、「整理整頓を徹底しろ。」、「頑張れ。」
 
これらのものは、具体性が全くありません。
そのため、管理者や社員は動けないことになります。そして、その結果、「動かない」と評価を下されています。
 
では、「具体的」とは、何なのか。
それは難しくありません。それは「目で見えるかどうか」です。
 
・カタログを作成し、初回訪問の時に、お客様に渡すようにする。
・月10件の新規契約を、月11件にする。
・管理者候補が各部の週例を主催するようにする。
 
これらは、目で見ることが可能です。
この状態を「具体的である」と言えるのです。


冒頭の製造業A社には、私は、「既存顧客の訪問リストを作ること」を提案しました。
 
この5年間で、売上は6億円から3億円と半減しています。
私は、お尋ねしました。
「何か手を打ってきましたか?」
A社長は、答えます。
「営業担当者には、もっとお客様を回るようにと指示を出していました。また、新規事業も考えています。」
 
これは、悪い方針や悪い目標の典型です。私は、「それで、事は進んでいますか?」と訊きました。すると、やはり「全然、進んでいない」との答えが返ってきました。これでは、社員も動きようがないのです。
 
売上が落ちた原因は明確です。「お客様を回っていない」のです。お客様を回っていないから、新規も増えなければ、案件も入ってこないのです。その結果の、売上ダウンです。
 
こういう場合、必ずと言っていいほど、「営業担当者は、お客様を回っています」と答えが返ってきます。
しかし、そのお客様とは、既存顧客であり、それも、関係性の良く出来たところを指しています。そして、そこでしていることは「案件の打ち合わせ」なのです。
 
「既存顧客を回ること」も「案件の打ち合わせ」も、「営業」とは言いません。営業とは、「新規顧客を開拓する」、「関係の薄い(案件の少ない)先を拡げる」ことを指します。これが営業の定義であり、営業担当者の役目なのです。
 
これでは、売上が落ちて当然なのです。新規顧客は増えません。そして、既存顧客も細くなっていきます。これが、A社の売上半減の理由だったのです。
 
そして、それに対して、何も対策してきませんでした。営業担当に、「お客様をもっと回るように」と指示を出すだけです。やはり、そこに具体性は無いのです。
 
いまのA社は、緊急事態です。新規事業に取り掛かれる状態ではありません。新規事業を立ち上げ、収益化するには、通常3年はかかるものです。そして、その取組みは、儲かっている時にしかできないのです。
 
私は、下記を提言しました。
・既存顧客(常時発注のAクラスと、案件の薄いBクラス)をリストアップすること。
・そして、今月中にまずは一巡すること。
 
私は、A社長の目をのぞき込みました。そして、さらに突っ込みが必要と判断しました。
「具体的に、訪問する会社名を挙げてみてください。」
やはり、この言葉に、A社長は、戸惑っています。
 
面談の最後に、私は、お願いをさせて頂きました。
「明日にでも、そのリストをまとめたものを、私に送ってください。」


この日の午後のもう一つの面談は、システム開発業B社です。
その課題は、「忙し過ぎる」というものでした。
この業種の忙しさの原因は、明確です。それは、大きく2つあります。
 
一つは、事業モデルにあります。「相手合わせ」、「クリエイティヴ」、「一回きりの儲け」という職人型ビジネスにあります。「一回作って、一回売って終わり」が忙しさの根本の原因です。
 
そして、その目の前の案件を追って、仕組化に向かっていないのです。それでは、いつまで経っても「楽(らく)」になることはありません。
 
その状態で、昨年対比110%や120%の伸びを目標にしています。そして、案件を取っていきます。当然、忙しくなります。そして、問題が起きます。その対応が済むと、また、案件を追い始めます。
私は、この状態を「クレイジーだ(くるっている)」と表現しています。
 
B社長に、この2点を説明すると、合点がいったご様子でした。
私は、下記の通り提言をさせていただきました。
・1年かけて、事業モデルの変革を行うこと。
・その出来た事業モデルの仕組みづくりに取り組むこと。
 
B社長、その提案をすぐには受け入れられないよう様子です。それは、そうです。この変革はたやすいものでは、ないのです。それでも、避けては通れないものなのです。
 
そして、私は、もう一つ提案をしました。
「本格的にこの取組みにかかる前に、まずは、止めることを明確にしましょう。」
B社長は、忙し過ぎるのです。そのため、少し体調も悪くしていました。そして、何かを考える余裕はありません。
 
私は、2つの止めることをお伝えしました。
・まず、やらない案件の条件を決めること。(技術や分野、金額)
そして、
・仕組化の取組みの全て・・・今の「一回つくって、一回売って」のシステム開発事業では、標準化は難しい。やったとしても、その効果は限定的であること。そして、中途半端に手をつければ、その進みの遅れに、焦りが増すだけである。
 
私は、お願いをしました。「まずは、やらない案件の条件を書面化しましょう。」
B社長は、「はい!そうします」と少し力の入った声を出されました。
 
ここでも、私は、社長の目を見て、提案を変えました。
「いま思いつくだけ、その具体的な条件を教えてください。」
 
そして、その場で、手書きのものを作成しました。積極的に受注するもの、条件次第で受けるもの、そして、丁重にお断りするものと箇条書きにします。
 
私は、最後にお願いをしました。
「これを、パソコンで仕上げてください。そして、数日のうちに送ってください。」


この二人の社長には、其々宿題を出させていただきました。
他人との約束という強制力をかけさせていただいたのです。
「既存顧客の訪問先リスト」
「やらない案件の条件」
これを翌日に、手をつけるかどうかです。
 
これをやるか、やらないか、これが運命の分かれ道になります。
やれば、少し「成功」に近づけます。
可能性が見えてきます。次の課題も見えてきます。
そして、勇気もでてきます。
 
やらなければ、確実に「失敗者」への道を突き進むことになります。
行動しなければ、可能性もくそも無いのです。次の課題も見えてきません。
何よりも、勇気が湧いてこないのです。
 
すべては、『具体的な行動』から始まるのです。
それが、今回は「書面にまとめる」でした。まだ、コンサルタントとクライアントの関係ではありません。でも、自分だけよりは「強制力」があります。
これを良い機会と考えやるか、やらないかなのです。
 
具体的な目標を設定する、そして、明日の具体的な行動にまで落とし込む。
ここまでしても、半分の人は、それをやりません。
また、いままでの生活パターンに戻っていきます。「営業していない」、「案件を追い続ける」、そして、月日が経っていくのです。
 
成功者とは、動いた人になります。
失敗者とは、動かなかった人になります。
後者は、本当に、「何もせず」に失敗をしていきます。
 
具体的にやることを決める。そして、動く。
これを繰り返していけば、必ず成功します。

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